キャンプのカレー付け合わせ完全ガイド|余り野菜活用術や2泊3日献立

キャンプのカレー付け合わせ完全ガイド|余り野菜活用術や2泊3日献立

キャンプでカレーの付け合わせは、いつもワンパターンになりがちではありませんか。 「福神漬けだけでは物足りない」「でも、手間はかけたくない」そう考える方も多いでしょう。

実は、キャンプのカレーには「洗い物が大変」という大きな課題が潜んでいます。 この記事では、その現実的な課題の解決策から、カレーの味を理論的に引き立てる選び方までを解説します。

切るだけ・和えるだけの簡単な副菜、カレー調理で余った野菜を活用する「もう一品」のアイデア、さらには2泊3日の具体的な献立プランまで、キャンプカレーの食卓を格上げする知恵を完全ガイドします。

この記事を読めば、あなたのキャンプカレー体験がより豊かで快適になるでしょう。

この記事でわかること
  • キャンプ特有の「洗い物」問題を解決する献立のヒント
  • 火を使わない「切るだけ・和えるだけ」の簡単時短レシピ
  • カレーの余り野菜を「もう一品」に変える無駄なし活用術
  • 1日目のカレーを2日目の朝食に活かす2泊3日モデルプラン
もくじ

キャンプでカレーの付け合わせを選ぶ2つの基準

キャンプでカレーの付け合わせを選ぶ際、家庭での料理とは異なる2つの重要な基準が存在します。
それは「調理の手軽さ」と「味の補完性」です。

この基準を満たすことで、キャンプ特有の制約の中でも、カレーの満足度を最大限に高めることが可能になります。

基準1:調理の手間を最小限にする「簡単さ」

キャンプ場で調理が簡単なサラダやピンチョスが並べられたテーブルと、フタが開いたクーラーボックス。

キャンプでは、使える時間や水の量、調理スペースが限られています。
そのため、付け合わせは「切るだけ」「和えるだけ」「焼くだけ」といった、調理の手間を最小限に抑えられるものが理想です。

また、食材の鮮度管理も重要なポイントです。
特に夏場のキャンプでは、農林水産省も食中毒予防として、食材の温度管理に注意を呼びかけています
クーラーボックスの容量を圧迫しない常温保存可能な食材を選んだり、自宅である程度下ごしらえを済ませておいたりする工夫も求められるでしょう。

食材の持ち運びや保冷力に不安がある場合は、クーラーボックスの性能や選び方を見直すことも一つの解決策です。
クーラーボックスの容量や保冷日数に関する詳細な選び方については、【3泊4日キャンプ】氷が溶けない最強クーラーボックス容量と選び方で詳しく解説しています。

基準2:カレーの味を引き立てる「味と食感の補完」

カレーは、スパイスの風味が豊かで、煮込まれた具材によって柔らかい食感が特徴の料理です。
付け合わせには、このカレーの味わいとは異なる要素を補完する役割が求められます。

具体的には、以下の2点を意識すると献立のバランスが格段に向上します。

  • 味の補完:カレーの濃厚な味や辛味に対して、「酸味」「さっぱりとした味わい」を加えることで、口の中をリセットし、次のひと口を新鮮に感じさせてくれます。
  • 食感の補完:カレーの柔らかい食感に対し、「シャキシャキ」「ポリポリ」とした歯ごたえのある食材を加えることで、食事全体のリズムが良くなります。

ピクルスや福神漬けが定番であるのは、これら2つの基準を高いレベルで満たしているためといえます。

キャンプカレー最大の盲点「洗い物の問題」を付け合わせで解決する

キャンプ場でカレールーで汚れたお皿を洗おうとしている場面。冷たい水と汚れた皿が積まれている。

キャンプでカレーの付け合わせを考える前に、多くの方が直面する現実的な課題、それが「洗い物」の問題です。
この問題を解決することが、快適なキャンプカレー体験の鍵となります。

キャンプの冷水でカレールーの油を洗うのは困難

市販のカレールーには多くの油脂が含まれています。
家庭の温かいお湯と強力な洗剤があれば簡単に落とせますが、キャンプ場の炊事場では状況が異なります。

キャンプ場の多くは、自然環境保護のため、油や食べ残しをそのまま排水溝に流すことを厳しく制限しています(日本オートキャンプ協会)
冷たい水ではカレールーの油が白く固まってしまい、スポンジや食器は油まみれになります。
これをきれいに洗い落とすのは、非常に手間がかかる作業です。

解決策:「ドライカレー」や「ソースベース」への変更

この「洗い物の問題」を根本から解決するために、キャンプ経験豊富な専門家は、水分の少ない「ドライカレー」や、油分の少ない「ソースベースのハヤシライス」を選ぶことを推奨しています。

これらは使用する油が少ない、あるいは水分が少ないため、食器にこびりつく汚れが格段に減り、後片付けの負担を劇的に軽減できます。

洗い物が楽なカレーにおすすめの付け合わせ

洗い物が楽なドライカレーは、水分が少ないことが特徴です。
そのため、付け合わせには「水分を補う」役割が最適です。

  • さっぱりとした和え物:口の中を潤し、リフレッシュさせます。
  • 簡単なスープ:献立全体の満足度を高め、水分を補給できます。

次の項目からは、これらの「洗い物が楽なカレー」にも最適な、具体的な付け合わせレシピを紹介していきましょう。

【火を使わない】切るだけ・和えるだけの簡単付け合わせレシピ

キャンプ場のテーブルで、缶詰やカット野菜、新鮮な野菜を使って簡単に作れるサラダを準備している様子。

まずは、調理器具をほとんど汚さず、火も使わずに完成する最も手軽なレシピを紹介します。
これらは、キャンプ到着後すぐに用意できる「あと一品」として最適です。

レシピ1:さっぱり箸休めの定番「たたききゅうり」

きゅうりのシャキシャキとした食感と、ごま油の風味が食欲をそそる定番の副菜です。
箸休めにも、お酒のおつまみにもなります。

  • 材料(1〜2人前):きゅうり 1本、ごま油 大さじ1、醤油 小さじ1、塩こんぶ 少々、すりおろしにんにく 小さじ1/2
  • 作り方
    1. きゅうりをポリ袋などに入れ、ナイフの側面やこぶしで軽くたたき、食べやすい大きさに割ります。
    2. 全ての調味料と1をシェラカップやボウルに入れ、混ぜ合わせれば完成です。

レシピ2:ヨーグルトで本格派「きゅうりのライタ」

インドで定番のヨーグルトを使ったサラダ「ライタ」です。
ヨーグルトの酸味がカレーの辛味をマイルドにし、さっぱりとした口当たりが特徴です。

  • 材料(1〜2人前):きゅうり 1/2本、プレーンヨーグルト 100g、塩 少々
  • 作り方
    1. きゅうりは細かく刻み、軽く塩を振って水気を出します。
    2. ヨーグルトと水気を切ったきゅうりを混ぜ合わせるだけで完成です。

レシピ3:カット野菜で時短「コールスロー」

スーパーなどで販売されているカットサラダ(キャベツやコーン入り)を活用すれば、包丁やまな板を一切使わずにコールスローが完成します。

  • 材料(1〜2人前):カットサラダ 1袋、ハム 1パック、マヨネーズ 適量、酢 小さじ1/2、塩 少々
  • 作り方
    1. ハムを食べやすい大きさに切ります。(手でちぎっても良いでしょう)
    2. ボウルに全ての材料を入れ、混ぜ合わせれば完成です。

レシピ4:缶詰を活用「ツナ&ミックスビーンズのサラダ」

常温保存が可能で、栄養価も高い缶詰を活用するレシピです。
ツナの旨味と豆の食感が、カレーの付け合わせとして満足感を高めてくれます。

  • 材料(1〜2人前):ミックスビーンズ 1袋(缶)、ツナ缶 1缶、玉ねぎ 1/4個、レモン汁 大さじ1、オリーブオイル 大さじ2
  • 作り方
    1. 玉ねぎはみじん切りにします。(辛味が苦手な場合は水にさらします)
    2. ボウルに全ての材料を入れ、混ぜ合わせれば完成です。

レシピ5:専門家推奨「スリランカ風トマトと玉ねぎのあえもの」

スリランカカレーの副菜をアレンジした、専門家推奨のレシピです。
かつお節の旨味とレモンの酸味が効いた、あとを引く味わいが特徴です。

  • 材料(1〜2人前):トマト 1個、玉ねぎ 1/4個、かつお節 1パック、レモン汁 小さじ1
  • 作り方
    1. トマトは角切りに、玉ねぎは薄切りにします。
    2. 全ての材料をボウルで和えれば完成です。

【調理法別】キャンプギアを活かす付け合わせレシピ

焚き火の上でスキレットを使い、ベーコン巻きピンチョスやじゃがバター、野菜のサブジを調理している様子。

焚き火やスキレットなど、キャンプならではの調理器具を使った付け合わせは、キャンプの醍醐味の一つです。
カレーを煮込んでいる間に、隣で手軽に作れるレシピを紹介します。

焚き火で楽しむ「じゃがバターのホイル焼き」

焚き火の安定した火力(熾火)を利用した、定番のホイル焼きです。
じゃがいものホクホクとした食感とバターの風味が、カレーとも相性抜群です。

  • 材料(1〜2人前):じゃがいも 2個、有塩バター 20g、塩 少々
  • 作り方
    1. じゃがいもは皮付きのままきれいに洗い、芽を取ります。
    2. 濡れた新聞紙で包み、その上からアルミホイルで二重に包みます。
    3. 焚き火の熾火(炎が落ち着いた状態)の中に入れ、30〜40分ほどじっくり加熱します。
    4. 竹串がスッと通れば、十字に切り込みを入れ、バターを乗せて完成です。

アルミホイルを使った調理法は、トーストを焼く際にも応用が利きます。
初心者必見!キャンプのトーストをアルミホイルで失敗せず仕上げる方法では、失敗しないアルミホイルの使い方のコツを解説しています。

スキレットで簡単「ベーコン巻きピンチョス」

見た目もおしゃれで、子供も喜ぶ簡単なおつまみです。
スキレットや網の上で焼くだけで、ベーコンの旨味が具材に染み渡ります。

  • 材料(1人前):ベーコン 6枚、ミニトマト 4個、うずらの卵(水煮) 4個、固形チーズ 2個
  • 作り方
    1. ベーコンを縦半分に切ります。
    2. ミニトマト、うずらの卵、チーズをそれぞれベーコンで巻き、爪楊枝で固定します。
    3. スキレットや網で、ベーコンに焼き目がつくまで焼けば完成です。

インドの定番野菜炒め「いんげんとオクラのサブジ」

「サブジ」とは、インドの言葉で「野菜の炒め煮」のことです。
クミンなどのスパイスを使って炒めるため、カレーとの相性は抜群といえます。

  • 材料(1〜2人前):いんげん 1袋、オクラ 1パック、クミンシード 小さじ1、ターメリック 小さじ1/2、油 適量、塩 少々
  • 作り方
    1. いんげんとオクラは食べやすい大きさに切ります。
    2. フライパンに油とクミンシードを入れ、香りが出るまで弱火で熱します。
    3. 野菜を加え、ターメリックと塩で味付けしながら炒めれば完成です。

【食材無駄なし】カレーの余り野菜で作る「もう一品」活用術

キャンプ場のテーブルに並べられた、カレーの余り野菜で作ったオニオンサラダ、ポテトサラダ、にんじんしりしり。

キャンプカレーを作る際、玉ねぎやじゃがいも、にんじんが半端に余ってしまうことはよくあります。
これらの野菜を無駄なく使い切り、手軽な付け合わせに変える「もう一品」のアイデアを紹介します。

玉ねぎが余ったら「オニオンサラダ」

カレーで余った玉ねぎをスライスするだけで、さっぱりとした箸休めになります。
辛みが少ない新玉ねぎなら、子供でも食べやすいでしょう。

  • 作り方
    1. 玉ねぎ(1/4個〜)を薄くスライスします。
    2. 水にさらし、辛味を抜いて水気をしっかり切ります。
    3. かつお節と醤油をかける「和風」や、ごま油と塩で「ナムル風」にするなど、お好みのドレッシングで和えて完成です。

じゃがいもが余ったら「マヨなしポテトサラダ」

余ったじゃがいもと、あればゆで卵やウインナーで作るポテトサラダです。
マヨネーズを使わなくても、オリーブオイルと塩(またはマジックソルトなど)でさっぱりと美味しく仕上がります。

  • 作り方
    1. じゃがいも(1〜2個)は皮をむき、茹でるかホイル焼きにして柔らかくします。
    2. ボウルに入れて潰し、オリーブオイルと塩(または好みのスパイス)で味を調えます。
    3. ゆで卵や焼いたウインナーを加えれば、さらに満足感がアップします。

にんじんが余ったら「にんじんしりしり」

余ったにんじんを手軽に消費できる、お酒のおつまみにもなる一品です。
ツナ缶があれば、旨味とタンパク質も同時に補給できます。

  • 作り方
    1. にんじん(1/2本〜)を千切りにします。
    2. スキレットなどに油を熱し、にんじんとツナ缶(あれば)をしんなりするまで炒めます。
    3. 醤油、砂糖(またはみりん)、塩コショウで味を調えれば完成です。

2泊3日キャンプのカレー献立と付け合わせモデルプラン

キャンプ場のテーブルに並べられた、ドライカレー、BBQ、ホットサンド、サラダなど、連泊キャンプの献立。

2泊3日といった連泊キャンプでは、食材の鮮度管理と「飽き」への対策が重要です。
カレーを活用した、効率的で無駄のない献立プランを提案します。

1日目の夜:ドライカレーと焚き火で作る副菜

1日目の夜は、洗い物の負担を最小限に抑える「ドライカレー」を選びます。
カレーを煮込む必要がないため、その分の時間を付け合わせの準備に使えます。

焚き火を囲みながら、「じゃがバターのホイル焼き」や「ベーコン巻きピンチョス」といったキャンプらしい副菜を楽しみましょう。

2日目の朝:残ったカレーで「絶品ホットサンド」

1日目に作ったドライカレーは、2日目の朝食に最適です。
ホットサンドメーカーに食パン、ドライカレー、シュレッドチーズを挟んで焼くだけで、子供も喜ぶ絶品のカレーホットサンドが完成します。

洗い物もほとんど出ず、効率的な朝食になります。

2日目の夜:BBQと箸休めのさっぱり付け合わせ

2日目の夜は、メインディッシュをBBQなどに変えることで、献立に変化をつけます。
お肉がメインになるため、付け合わせは「たたききゅうり」や「スリランカ風トマトと玉ねぎのあえもの」といった、さっぱりとした箸休めが最適です。

1日目に使い切れなかった野菜も、BBQの焼き野菜としてここで消費しましょう。

キャンプでカレーの付け合わせを工夫して食卓を豊かに

フィヨルドの雄大な景色。山々に囲まれた青い水面が広がり、自然の美しさと広大さを感じさせる。

キャンプでカレーの付け合わせを工夫することは、単に品数を増やすだけではありません。
「洗い物」という現実的な課題を解決し、余った食材を無駄なく使い切り、2泊3日の献立を豊かにする、キャンプの知恵そのものです。

火を使わない簡単な和え物から、焚き火を活かしたホイル焼きまで、あなたのキャンプスタイルに合った付け合わせを見つけることで、食卓はより豊かになるでしょう。

キャンプでの食事は大きな楽しみの一つですが、周囲への配慮も大切です。
オートキャンプ場のサイトを横切る前に!絶対に知るべき3つのRの原則など、基本的なマナーを守り、全員が快適に過ごせる環境づくりを心がけましょう。

キャンプでカレーの付け合わせを作るとき、子供が喜ぶメニューは?

子供が喜ぶ付け合わせは、「甘み」「自分で作れる楽しさ」がポイントです。
具体的には、「ベーコン巻きピンチョス」(うずらの卵やチーズ入り)や、「じゃがバター」、ホットサンドメーカーで作る「チーズホットサンド」などが人気です。
また、「コールスロー」にコーンを多めに入れると、甘みが増して食べやすくなります。

サラダ以外で、カレーに合う簡単な付け合わせはありますか?

サラダ以外では、「スープ」「おつまみ系」が簡単です。
スープは、お湯を沸かしてコンソメスープの素と乾燥わかめを入れるだけでも、ドライカレーなど水分が少ないカレーと相性が良いでしょう。
おつまみ系では、「たたききゅうり」や、市販のキムチ、ピクルスなども、切るだけで立派な付け合わせになります。

常温保存できる食材を使った付け合わせはありますか?

クーラーボックスの容量を節約したい場合、常温保存可能な食材は非常に重宝します。
「ツナ缶」「コーン缶」「ミックスビーンズ缶」などは、和えるだけでサラダになります。
また、「じゃがいも」「玉ねぎ」「にんじん」といった根菜類は、アルミホイルに包んで焚き火で焼くだけで、美味しい付け合わせになります。

もくじ